ボディメイクのための商品は様々なものが販売されています。ネットのみならず家電量販店でも目にすることが増えてきました。
人気サッカー選手を起用した腹筋を鍛えられるという家電は、トレーニングに興味がない方でもご存知なのではないでしょうか。
このタイプの商品は運動をせずに筋肉を育てる効果があるとされ、数多く展開されています。
商品は広く知られていますが、その仕組みはどのようなものなのでしょうか。
EMSとは
先述の「運動をせずに筋肉を鍛える」という商品はEMSと言われるテクノロジーを採用しています。
EMSとはElectrical Muscle Stimulationの略で、電気刺激を直接筋肉に送ることによって筋肉の運動を活発化させるものです。
通常は脳からの指令により筋肉は運動しますが、この指令と同様の刺激を電流によって与え筋肉を運動させるのです。
ちなみに、EMSと医療で使用される低周波治療器とは別物ですのでご注意ください。
低周波治療器は皮膚への抵抗が大きく電流が筋肉まで届かないため、筋肉まで到達させようと出力を強くしてしまうと皮膚へのダメージが生じてしまいます。
酷いと火傷のようになることもあるのでお気を付けください。
EMSの危険性は?
身体に電気を流すというと少し怖い気がしますが、実際人体への悪影響はあるのでしょうか。
皮膚への刺激
低周波治療器は皮膚への抵抗が大きいため出力を強くすると皮膚へダメージを与えてしまうことがあると書きましたが、EMSも同様に皮膚に悪影響を及ぼす可能性があるようです。
ベルトタイプのEMSの実験では、ベルトには一定に電力が流れているため皮膚との接触面積が減っても通電し、単位面積に流れる電流量が増えることで皮膚障害が起きる恐れがあるとの結果になったそうです。
また、導電性を高めるためにジェルなどが付属または別売りされていますが、これらと肌の相性によってかぶれることも。
正しい使い方をしないと大切な身体を傷つけかねないので、使用方法については徹底が必要ですね。
安価なものは要注意!
幅広い価格帯の商品があるEMSですが、安価な商品では苦情が多く寄せられている現状があるようです。
安価な商品は低周波・中周波のものが多く、表面の筋肉までしか届かないため効果が感じにくいうえに、ピリピリとした刺激を感じやすく痛くて使えないという事例もあります。
以下、参考にご覧ください。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20020924.pdf
横紋筋融解になる?!
実際に発生した事例ですが、横紋筋融解という症状が起きてしまったこともあるようです。
「おうもんきんようかい」、聞き慣れない単語ですが、骨格を支える筋肉の細胞の壊死や溶解によって筋肉の痛みや脱力などを生じるものです。
筋肉成分のミオグロビンが流れ出し、尿細管が損傷を受けて急性腎不全を起こしたり、多臓器不全につながったりする懸念もあります。
横紋筋溶解はEMSで起きた事例もありますが、筋肉に損傷を与える行為すべてにリスクがあることが分かっているようです。
ハードな筋力トレーニングをしすぎた方の例では、全身に力が入らずベッドから起き上がれなくなり、意識を失い倒れてしまったそう。急性腎不全や多臓器不全につながる可能性があると書きましたが、そのせいか尿も茶色になっていたとのことで、想像するだけで怖いですね・・・
身体づくりは、やはりきちんと知識のある指導者のもとで行いたいです。
そして何より注意しなくてはいけないのが、心臓付近などの胸部と背骨(脊髄)はほぼすべてのEMSで使用が禁止されているということです。
当然、バストへの使用も絶対に禁止です。
また妊娠中の人、心臓疾患のある人、ペースメーカーや人工心肺、心電計を直接身体に入れている人も使用が禁止されています。
バストには使えないけど、実際の効果は?
バストには使用禁止ですが、体験談を調べてみると主に以下の効果を感じる方が多いようです。
・筋力の強化
強制的に外部から筋肉を刺激するので力が入れやすくなり、筋力強化につながる
・皮下脂肪の燃焼
筋力の強化により基礎代謝が上がった結果、皮下脂肪の燃焼がしやすくなる
しかし、EMSに任せっきりではあまり効果がなく、トレーニングをしている人がプラスで使用することでトレーニングの効果が上がる、という体験談が多いようです。
まったく動かない人は少しでも筋肉を動かすために使用するようですが、目に見えて筋肉が育つということは難しそうです。
EMSについて、まとめ
バストアップに以下が必要項目です。
・大胸筋を育てる
・脂肪を大胸筋の上に留める
・乳腺を発達させる
もしもEMSがバストにも使用ができるなら「大胸筋を育てる」には効果があったかもしれません。
しつこいようですが、バストへの使用は禁止です。
そのうえ皮下脂肪の燃焼効果もあると言われているので、脂肪でできているバストへの使用はどちらにしても向いていないですね。
編集後記
メディアで話題のEMS、動かなくても筋肉を動かせるという点でも人気のようですが、心臓付近での使用がNGなのでバストアップには使用できないという結果になりました。
しかし効果を感じている方も多いようなので、バストとは違う箇所、お腹やお尻を脂肪燃焼させてボディメイクするという目的には有効に使えるかもしれませんね。